ALFAIM [アルフェイム] ©1989 Zain Soft [ザインソフト] ストーリー
サンルート高校は名の知れた進学校で、この高校から毎年何十人という生徒が東大に合格している。
この高校では、偏差値によるクラス編成制を取り入れて
おり、Aクラスは偏差値80以上の勉強ばかりする秀才クラスで、このクラスの中で東大を目指す者が
多かった。Bクラスは偏差値70以上の秀才クラス。
このサンルート高校ではこの2クラスだけで成り立って
いるのだが、もう一つCクラスというのがあり、
このクラスは他の高校ではトップクラスでありながらも、
このサンルート高校では『落ちこぼれ』のレッテル
をはられた、いわば、先生から言わせて見れば、
どうでもいいクラスだった。
そして、このサンルート高校で奇妙な事件が起こった・・・・。
Aクラスのある一人の生徒が、突然教室を飛び出し、
屋上から飛び降り自殺を計ったのである・・・・・。
この自殺した少年は、良の小学校時代からの親友
『奥内 武』であった。
良と武は、中学の頃、勉強でもスポーツの上でも良き
ライバルであり、何でも話せる親友でもあった。
中学卒業後、2人は同じサンルート高校に入ったが、
良の方は成績が伸び悩み、Cクラス。武はAクラスと別々になった。
ところが、武はAクラスに入った途端、顔はやつれ、
まるで死人のように変わり果ててしまったのである・・。良は、武が日増しに変わり果てていく姿をきにはかけて
いたが、武の家系の事を知っていただけに、
何も口出しする事は出来なかったのである・・・・。
武の一番上の兄は医大の助教授、もうすぐ教授になろう
という秀才。そして、二番目の兄は東大理学部在学中。
そう、一番末っ子の武も家族の期待を背負っていたから
であった。
こんな家系の中で、武は否応でも東大に合格しなくてはいけない状況だったのである。
武は一度、良にこんな事を言った事がある。
武 「お前が羨ましいよ。俺は何故、東大なんかに行かなくちゃいけないんだろう・・・・。」
良は、返答に困り果てた・・・・。
良 「何いってるんだい。頑張れよ!大学に入ったら、またサッカーやるんだろう。それまでの辛抱だよ。」
武 「ああ、そうだな・・・・・。」
良は、武のその言葉がしばらくの間、耳から離れなかった・・・・。警察では、成績の伸び悩みでノイローゼになり、
衝動的に自殺をしたのであろうと、
捜査はすぐに打ち切られてしまった。
確かに、他人から見ればノイローゼによる自殺としか
考えられないだろう。しかし、良は、武がただノイローゼだけで自殺をしたとは
考えられなかった。
いや、考えたくなかったのかもしれない。そして、一つだけ腑に落ちない事があった・・・・。自殺した武の手のひらに『21』という数字が書かれていたのである。それが、何を意味するのか。
今の良には全く分からなかった・・・・。
その日、家に帰ると、一枚の郵便物が届いていた差出人を
見ると、武からのものであった。
消印は武が自殺した1日前。
良は、慌てて封筒を破り開けた・・・・。
『僕は殺されるかもしれない。今まで有難う。
そして、さようなら』
という文字だけが書かれてあった・・・・・。
次の日、図書館で勉強している、本庄理美に武からの手紙のことを相談する事にした。
彼女はBクラスの生徒で、良、武とは中学時代からの友達であり、武の突然の死を悲しんでいた一人である。
そして、良とは恋人同士の中でもあった。
良 「俺のところに、昨日武からこんなものが届いたんだ。これは一体どういう事なんだろうか?」
理美 「確かにこれは武自身の字ね。やっぱり、武は自殺なんかしていないのよ。 きっと誰かに殺されたんだわ。」
良 「多分ね・・・・。それに、死んだ武の手のひらに書かれてあった21という数字が、どうも気になるんだ・・・。」
理美 「21!?・・・・。
ちょっと調べたい事があるから、お昼休みに私の教室に来てちょうだい・・・・。」
良が、自分のクラスに戻ってみると、クラスの中で一つの話題が盛り上がっていた。
良は早速、級友の宏一と透に、何があったのかを聞いてみた。
透 「良、聞いたかよー。この受験の時期にAクラスに転校生が来るんだってな。」
良 「何?この時期になってかよー。しかも、Aクラスに・・・・。」
宏一 「しかも、Aクラスの奴ら顔負けの超天才児なんだってさ。他の学校にもそんな奴がまだいたとはね・・・・。」
良 「ところで、その転校生は男か、女か?」
透 「残念なことに男だよ。」
良 「おい、ちょっと見に行ってみようぜ!」
果たしてこの後の展開は・・・・・!?